【老後資金】令和元年「年金財政検証」から・・今後は共稼ぎが大切!
1.はじめに
いつも、「ライフデザイン」ブログをお読み頂きありがとうございます。今、話題の「年金財政検証」とは一体何でしょうか。そして、どんなことが分かるのでしょうか。年金について知識のない方にも分かり易く解説します。
2.年金財政検証とは何か
年金は将来にわたり(*)所得代替率が50%を上回ることが大前提です。そして、5年ごとに、本当に将来にわたり50%を維持できるかを検証するのが、「年金財政検証」です。そして、もし、50%をキープできない時は、給付及び負担について検討を行い、対策を講ずるというものです。
(*)所得代替率とは、モデル家計(夫と専業主婦)の年金額が現役の男子の平均給料(税引後)のどのくらいなのかが所得代替率
☆具体的には次の通り、
所得代替率=(夫の厚生年金と基礎年金、妻の基礎年金)/(男子の平均給与(手取り))
3.令和元年の年金検証結果は
結論は、検討した全ての場合(経済成長率-0.5%~0.9%の7つの場合)で令和25年までは所得代替率は50%をキープしますが、何の処置もしなければ、経済成長率が0.2%、0%、-0.5%の場合では、令和25年以降、所得代率が50%を切ります。さらに、-0.5%で処置をしない場合は令和33年年には積立金が底をつき、その時の現役の支払う保険料で年金を賄う必要が出て来ます。
4.今後どうすればいいの?年金は減るの?
(1)年金額は減るの?
現在の所得代替率は61.7%ですが、今後、所得代替率が50%近くになると必ず年金額が下がるという訳でもありません。令和元年の年金平均は22万円ですが、令和28年(0.9%成長)だと26.3万円、令和29年(0.4%成長)だと24.0万円と言う具合で上昇しますが、男子の平均給与(手取り)が増えるので、代替率が下がるのです。ただ、成長率が0.0%以下だと現在より年金額は減ります。
(2)どうすればいいの?
今後の若い世代の人達は共稼ぎを目指すことが必要です。
現在の検証ケースのモデルは、夫と専業主婦で妻は基礎年金だけです。妻も働き厚生年金に入ることが大切です。税金、扶養、社会保険料の壁などありますが、もう、そんなことを言っている場合ではありません。共稼ぎをして将来の年金を確保する必要があります。
例えば、成長率0%の場合、令和40年ではモデルケースですと年金額20.8万円で所得代替率が46.7%ですが、共稼ぎで、もし、奥さんが夫の2/3の収入だと仮定すると、年金額が38.0万円で所得代替率が81%となります。ここまでの年金は必要ないかもしれませんが、奥さんの稼ぎの基準は今後「将来の年金額」になることでしょう。
5.まとめ
今話題の年金財政検証とは何か、そしてどんな結果なのか、それを受けて、どうすれば良いのかを見て来ました。夫、専業主婦という検証モデルの世帯にとらわれず、夫婦ともに働くことが必要です。実態としては、共稼ぎ世帯は全世帯の24%くらいなのです。今後、共稼ぎ世帯が増えることにより、年金だけでなく、日頃の生活にゆとりが出来て、貯蓄も可能となります。
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